「ゼロカーボンアイランド」へ 環境省「脱炭素先行地域」第1弾 県内で知名、和泊両町のみ選出 =沖永良部島

2022年04月27日

政治・行政

環境省の「脱炭素先行地域」に選出された知名町ですでに導入されている再エネ施設や電気自動車など(資料写真)

【沖永良部総局】環境省が26日に発表した「脱炭素地域先行地域」の第1弾に、ゼロカーボンシティ(脱炭素社会)実現に取り組む知名町と和泊町が選出された。第1弾の自治体に選ばれたのは県内では両町のみ。両町は「ゼロカーボンアイランドおきのえらぶ」をテーマに、2026年度まで同省から50億円規模の支援を受け、再生可能エネルギーを活用した脱炭素化に取り組む。

 

環境省が選ぶ脱炭素先行地域には、両町とリコージャパン、一般社団法人サステナブル経営推進機構の4団体による共同提案で応募。字などの小規模地域でエネルギー供給源と消費施設を持つ小規模なエネルギーネットワーク「マイクログリッド」の構築や、公用車のEV(電動)化などの提案が採択された。

 

補助金導入による事業の対象地域・施設は、知名町知名の新庁舎建設予定地周辺、同町久志検周辺、和泊町国頭地区周辺、両町内の学校などの公共施設。沖永良部島内の戸建て住宅約155世帯と公共施設59施設、沖永良部空港などの電力需要に応じた取り組みを展開する。

 

マイクログリッド構築に向けては、両町や地元企業などによる地域新電力団体の設立を計画。23年度に知名町新庁舎周辺、24年度に久志検地区、25年度に国頭地区で太陽光パネルや蓄電池などの導入に着手する。学校などの公共施設には、屋根や駐車場などに太陽光発電を設置していく予定。

 

両町の公用車は、順次EV化していく方針で、26年度までに、マイクロバス4台、普通自動車40台、軽自動車20台を導入予定。島内の路線バスについてもEV化を進める。島民を対象に、電動軽トラックや通学用電動バイクの購入補助の実施も検討している。

 

今井力夫知名町長は「先行地域に沖永良部島が入ったことは、脱炭素化へ向けていい弾みになる」、前登志朗和泊町長は「マイクログリッド構築や公共施設の再エネ導入、公用車のEV化などを両町で一緒に積極的に進めていく」と語った。